ラーメンが国民的フードに至るまで

ラーメンが国民的フードに至るまで
ラーメンは、子どもから大人まで年齢や性別を問わずに多くの人に愛されています。
「飯でも行こうぜ~」「(飲んだ後に)腹減った~」なんてとき、ラーメンを食べに行くことも多いのではないでしょうか?
値段も手頃ですし、時間がないときでもサクッと食べることができます。
ラーメンフリークの人であれば、遠く離れた場所にあるお店に足を運んだり、何時間もの行列に並んだりしてまでも食べたいと思うことでしょう。
また、醤油や味噌、とんこつなどいろいろな味があるので、自分の好みの味を追求し続けることができます。

食の冒険心をくすぐる食べ物、ラーメン。
中にはラーメンが苦手という人もいるかもしれませんが、一度口にしたことがある方は多い感じはず。
「ラーメンを食べる」という行為は、誰もが通る道といっても過言ではありません。
今やそんな国民的フードにまで上り詰めたラーメン。
そのラーメンの歴史は、いったい誰が築き上げたのでしょうか?
日本で最初に食べたのは、かの有名な黄門様!
歴史書によると、日本で最初にラーメンを食べたとされている人物は、水戸藩二代目藩主の徳川光圀だといわれています。
そう、テレビドラマや映画など現代でも幅広いメディアで題材にされている、「黄門様」です。

時は1665年。儒学の講師として来日していた中国の朱舜水(しゅしゅんすい)が、黄門様をもてなすために、中国式の麺料理を振る舞いました。これが、日本で最初のラーメンです。
フリークの人であれば、ぜひ日本最初の味を食べてみたいと思うことでしょうが、その味は一体どんなものだったのでしょうか?
黄門様に直接話しを伺ったわけではありませんので、実際のところはどうたったのかはわかりませんが、そのラーメンのスープは豚や鶏から出汁が使われ、麺にはレンコンの粉が練りこまれており、具材にはニンニクやニラ、らっきょう、ねぎ、生姜などが乗せられていたそうです。
300年以上も前のラーメンに正直みじんも期待をしていなかったのですが、今のラーメンとそこまで大きな差はないのかもしれません…。
しかも、麺にはレンコンの粉が入っていたなんて、ヘルシーですよね!
どんな食感なのか気になります。
日本で普及したのは明治時代中期以降
黄門様が食べたラーメン、今販売してもヒットしそうですが、残念ながら当時の日本では普及することはありませんでした。当時の一般の人が食べるには高価なものだったのでしょうか?

その後再び日本にラーメンが上陸するのは、明治時代中期(1870年代頃)です。
明治維新によって港町の横浜が開かれ、外国人向けの商店街として栄えました。
その商店街こそが今も観光スポットとして知られる中華街。
中華街では、気軽に食事ができるように屋台でラーメンが販売されるようになり、お店が続々と増えることで日本でもラーメンが一般的になりました。
さらに、1910年には東京の浅草に日本で初めて店舗のラーメン屋が登場します。
残念ながら、現在は閉店してしまっていますが、登場した当時はかなりの人気を誇っていました。
気軽に食べられるインスタントラーメンにも歴史があった

また、1955年には、インスタントラーメンが登場します。
お昼ごはんや小腹が空いたとき、料理をするのが面倒なときなど、気軽にお腹を満たすことができるインスタントラーメン。今や私たちの生活に欠かせないものとなっていますが、インスタントラーメンにも歴史があったのです。
日本で最初に登場したインスタントラーメンは、「味付中華めん」といわれるものでしたが、この商品はヒットすることがなかったため、特許を得ることもありませんでした。
特許をもつもっとも古いラーメンは、現在も多くの人に愛されている「チキンラーメン」です。
チキンラーメンの発売を機に、日本中にインスタントラーメンが広がり、今ではさまざまな商品が販売されています。
お店で食べるラーメンも、インスタントラーメンも今の私たちにはとても身近な料理です。
最近は、地域によって独自につくられるご当地ラーメンなるものも一般化してきています。
全国各地、さまざまな味のラーメンを食べるだけでなく、そのラーメンの歴史を調べてみると、ラーメンを食べる楽しみがよりいっそう増すことでしょう。
Reference:Flickr,Tranpan23 Flickr,Fabian Reus