寿司のシャリは西と東で違っていた

お寿司の味を左右するのは…
日本料理の代表に挙げられることも多い「お寿司」。
今やお寿司は日本だけでなく世界中で親しまれており、海外ではカリフォルニアロールといった海外独自のお寿司まで登場しているほどです。

そんなお寿司に必要不可欠なのが、シャリ!
どんなに美味しくて高級なネタが揃っていても、それだけではお寿司は成立しません。
ネタとシャリが揃ってこそ、お寿司となるのです。
シャリには、東西によって違いがあるということをご存知ですか?
東京の人が大阪で、または大阪の人が東京でお寿司を食べたとき、「あれ?いつも食べているのとなんか違うなぁ…」なんて感じたことはないでしょうか。
それは、東西のシャリの違いによるものかもしれません。
今回は、東西で異なるお寿司のシャリについてご紹介しましょう。
東はさっぱり、西は甘い
東西のシャリは、まず味が違います!
東のシャリは、甘さが控えられた薄味でサッパリしているのが特徴です。
対して、西のシャリは甘みが強く濃い味が特徴です。
どうして、東西のシャリは味が違うのかというと、それは出されるネタの違いに大きく関係していました。

東(江戸前)で出されるネタは、小鰭や穴子、マグロ漬けなどの塩や酢でシメたり、仕上げに甘いタレを塗ったりするものが中心でした。
ネタ自体の味が濃いので、ネタとのバランスをとるだめにシャリは薄味だったそう。
西(大阪鮨)では、巻きずしや押し鮨といった醤油がなくても気軽に食べられるものが中心でした。
西は芝居を見ながら、または歩きながらお寿司を食べることもあったため、日持ちをよくする必要があったのです。
醤油いらずで長持ちするように、シャリ自体の味を濃くしたのだといいます。
東は固め、西は柔らかめ

東西のシャリの違いは、味だけではありません。
シャリの硬さにも違いがありました。
東のシャリは固めで、西のシャリは柔らかめです。
これは、シャリだけに限ったことではなく、米自体の硬さが東西によって異なります。
東が固く西が柔らかい決定的な理由は明らかになっていませんが、仮説のひとつとして「緯度の違い」が考えられています。
日本は、地形上、東に行くほど緯度があがります。
そのため、東北地方や北陸地方では積雪することが多く、冬に野菜作りができない地域がありました。
そこで、冬にも野菜を食べられるように長期保存の方法として、漬物を作る習慣が発達したそうです。
漬物は、干して乾燥させた野菜を使用するので、歯ごたえのあるものがほとんどです。
このような理由から、東では昔から硬い食べ物に慣れているため、米も硬いものが好まれる傾向にあります。
シャリの味に注目してみて!

現在は、高速道路や飛行機などの交通インフラが発達しているので、全国各地から新鮮な魚介を運輸できるようになりました。
また、東京出身の人が大阪で、大阪出身の人が東京でお寿司屋を出していることもあるため、東西のお寿司にそこまで大きな差はありません。
お寿司の美味しさは、ネタの鮮度で決まる!と思っている人も多いですが、お寿司の美味しさはシャリによって決まる!と言っても過言ではありません!!!
これからお寿司を食べるときには、ネタはもちろん、シャリにも注目してみてください。
いろんなお店でお寿司を頼んで食べ比べしてみると、シャリの違いがよく分かるかもしれませんね。
Reference:Flickr,Hajime NAKANO Flickr,Ippei Suzuki Flickr,Koji Horaguchi